愛は闇のかなたに【Sparrow】L.J.Shen

ロマンス小説レビュー
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L.J.シェン先生の【愛は闇のかなたに】

ざっと2週間ほどかけて読了したので、レビューを書いてみます♪

こんなに時間をたっぷりかけて、毎日ちょっとずつ読書したのは久しぶりです(笑)

ここ最近は忙しかったというのも大いにあるのですが、もうとにかく最高でして、じ〜っくり味わって一文一文を噛みしめて読みました。

その結果『限られた時間×前のページを振り返りながら読む=2週間とちょっと』になりました。

この記事では、本文を引用しながらネタバレありのレビューとなりますので、もし未読の方はブラウザバックで、基本的に読了後に読むこと推奨です(*^^*)

(一応、ネタバレ前に注意喚起してあります!)

文中の引用・ネタバレをもろもろ飛ばした、読了後の感想はこちら↓

愛は闇のかなたに【Sparrow】L.J.Shen
彼が何をしようと影響されない。たとえ彼の撃った弾がわたしの体を貫いたとしても、彼を愛し続けるだろう。心から。

スズメは自由の象徴である。

【愛は闇のかなたに】本文19p

基本情報

二見書房
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さて、2019年に邦訳出版されたL.J.シェン先生の『愛は闇のかなたに』ですが、原題は『Sparrow』だそうです。

ジャンルとしてはヒロインが22歳なのでNew Adult にあたるのかなぁと思います。

スパロウと言われると、もうパイレーツのジャック・スパロウしか思い浮かばないのですが(笑)
スパロウは今作のヒロインの名前で、『スズメ』の事ですよね。
う〜ん、独創的な名前。
(そういえば、数年前の朝ドラ『半分青い』のヒロインの名前がすずめちゃんだったなぁ。永野芽郁ちゃんが演じた役。あの物語、好きでした)

今作のヒロインは、いわばヒーローに囚われた小鳥(バーディー)といった感じ。
ロマンスの邦題、原書のタイトルにかすりもしないというのはあるあるですが、個人的にこの邦題はすごく好きです。
内容を上手く表してるなぁと思いました。
まぁ『スズメ!』と訳すわけにはいきませんからね(笑)

Boston Belles Series

シリーズはBoston Belles SeriesBOOK 0.5

え、0.5??
どうやら今作のH/Hは、このBoston Belles Seriesの親世代にあたるようで、それできっと0.5なのかと。

シェン先生の本、表紙がそろいもそろってダークダークダーク!!

わぁお、どれも最高じゃないですか♡

原書【Sparrow】の燃える翼の表紙もオシャレ〜

そしてこの邦訳版の表紙もステキ♡

『口づけは復讐の香り』の方も素敵でしたが。

シェン先生もお気に入りの表紙として、インスタに載せていましたよ〜(4枚目)↓

L.J.Shen

L.J. Shen | USA Today Bestselling Author
L.J. Shen is an International #1 best-selling author of Contemporary Romance and New Adult novels. She lives in Northern California with her family.

Twitter https://goo.gl/ceV3RQ

Instagram https://www.instagram.com/authorljshen/

あらすじ

今作のヒロイン、スパロウ・レインズは、ジョギングが趣味の、料理学校に通う赤毛の地味で平凡な女の子。

二十二歳の彼女より10歳も年上で、マフィアのドンの息子、無情な”フィクサー“として知られるヒーロー、トロイ・ブレナンに連れ去られるようにして結婚させられます。

どうして急に自分が彼の花嫁に選ばれたのか、わからないスパロウ。

トロイにとっても不本意だった、この結婚の裏には、そうせざるを得ない”事情“と悲しい過去があったのです。

人を殺したという噂もある、悪評高い男(しかも浮気症)との結婚に、不安を募らせるスパロウでしたが、トロイのどうしても抗えない魅力にのまれていきます。

また、はじめはスパロウとの気が進まない結婚を煩わしく思っていたトロイも、次第に彼女だけが持つ魅力に気がついていきます。

真実が明かされた時、スパロウがとった選択は?

そして、無情なフィクサーとしてみんなから恐れられているトロイは、はたしてスパロウを愛するようになるのか?

ここから先、引用あり↓

プロローグ

『お許しください、神父様、おれは罪を犯しました。二年前、人を殺した。そいつの名前はビリー・クルプティ。親父の額を撃ち抜いて脳みそを吹き飛ばし、おれの家族を苦しめ、崩壊させた男だ。おれはそいつをこの手で殺した』

【愛は闇のかなたに】本文10p

教会の告解室で、ヒーローのこの衝撃的な告白から始まるこの物語。

とってもハードなロマンスでした。

ヒーローは闇が深ければ深いほど、強烈な魅力を放ちますね。本当に。
吸い寄せられていくよ。
そして私の性癖にぐさっと刺さる。

序盤から作品のダークな雰囲気と、テンポの良い会話に引き込まれました。

ロマンスって、会った瞬間ベタ惚れみたいな、『もう君しか見えないよ…』的な感じのが結構多いじゃないですか。
この作品は、全く違うんですね。

自分と結婚した理由を迫るヒロインに、

『日曜のミサで、君のことをずっと遠くから見てた』とか言うのだけど、それ全部 なんですよ…。

スパロウ→トロイの視点に変わって、

読者の私も、

え、あれ嘘だったん!?
騙されたわっ!!

と思いました(笑)

いやぁ、息を吐くように嘘をつくとは、まさにこの事だな…。

でもやっぱり途中からは『もう君しか見えないよ…』状態なんですけどね。

『好きなようにしていい。束縛はしない』
『だが、ひとつだけはっきり言っておく。おれ以外の男に目を向けるな。もし逆らったら、墓場に送りこんでやる…おまえも、その男も』

【愛は闇のかなたに】本文34p

結婚式の帰り道、トロイがスパロウに渡したプレゼントは、何と下品なランジェリー!(革やメッシュを使ったもの)

しかも、そのプレゼント…

『おれが選んだんじゃない』
『おれの愛人がおまえのために選んだ』

【愛は闇のかなたに】本文58p

いやー、もうびっくりですよ。司祭の前で忠実を誓ってから一時間も経ってないのに、愛人が出てきちゃいましたよ。マジですか。

トロイの愛車は白のマセラティ

(出典:https://response.jp/article/2018/06/17/310928.html

黒のメルセデス・ベンツではなく、白のマセラティらしいです(笑)

裏社会の人間は、黒のメルセデスに乗ってる”というイメージは世界共通なのかな?

で、大抵ゴツいEクラス以上なんでしょ??
あのレベルになると多少事故っても、あまりダメージ受けなそうな重厚感があるなぁと思う。

とにかく会話が最高なんです!!

『はっきり言っておくわ、ブレナン。あなたがほかの女とやりまくってありとあらゆる性感染症にかかって、あげくの果てに新しい病気を生みだしたとしても、どうでもいいわ』

【愛は闇のかなたに】本文255p

自らの不貞を見破られて、なおも冷静を保っているスパロウを妙に誇らしく思ってしまうトロイ、もうクズすぎて大好き。

『かごから出しても飛んでいってしまわないように、羽を切っていた…だがある日、一羽がどうにか逃げだした。一瞬の気の緩みから、大切なインコを失った』『いつかおれは、おまえの羽を切るのを忘れるだろう。その日が来たとき、おまえが逃げだしたとき、おまえに金があると、この厳しい世界でなんとかやっていける手段があるとわかっていれば、おれは安心できると思う』 

【愛は闇のかなたに】本文296p

ちょっとアブノーマル(笑)

『おまえはおれのものを持っている』
『おまえの処女だ、レッド』

【愛は闇のかなたに】本文299p

『◯スポットだ』から『もっとはっきり言え、レッド』『◯マンしている』までの下り。(302ページ)

えっと…これは、え??
急にBLとかに出てきそうなプレイですね??
まさか”手◯ン”というワードが出てくるとはね…
おったまげ…
ロマンスでは見たことないような…。
忘れてるだけかな…?
あったとしたら今までのは、ここまでのインパクトが無かったのかも。
世の中には自分で実況中継するタイプと相手に実況中継させるタイプがいるのでしょうね。(←いや急に何の話w)

『その野鳥のために中華料理を買ってきて。ボトルを開けるわ。またあとでね』

おれは尻に敷かれているのだろうか?まさしくそのとおりだ。
彼女とのセックスが一番の趣味になっていた。
ついにできた弱点が、レッドの股だ。
そこで生きたい。そこでなら死んでもかまわない。

【愛は闇のかなたに】本文340p

“傲慢なアルファヒーローが、徐々にヒロインの尻に敷かれていく”というのは、ロマンスの名シーン、醍醐味の一つ。

しかも、そのヒーローがトロイクラスになると、萌が過ぎますね〜♡

(ここから先ネタバレ↓)

味方は近くに、敵はもっと近くに置いておく…

このブロック、割と始めの方から怪しさプンプンで(あ、トロイの復讐リストの最後の一人、多分コイツだな…。)と思うのだけど、トロイがそれに気付くシーンの流れがものすごく良いな…と思いました。

葬式で隣の席に座った老人たちの会話から点と点が線につながるという…。

383ページ…

『トロイがわたしを押して、』とあるのだけど、ここってブロックの間違いなのでは?

この時、トロイまだ登場してないですよね?
急にトロイに押されるの?
え、どゆこと?
ここは原書でも『トロイ』になってるのかしら??
原書の方はunlimited対象になっていたので、時間のある時に該当シーンをチェックしてみようかなと思います。
単純に私の解釈ミスかもしれないのだけど…
この状況の詳細がわかる方、ぜひ教えていただけるとありがたいです…。

トロイがブロックの銃をハンカチで持って打つシーン、拳銃に発砲した証拠を残すためだと思うのだけど、ブロックは死ぬ前に多分一度も発砲してないので、ブロックからは硝煙反応出ないだろうな…。

でもまぁ、この作品はサスペンスじゃないので、その辺はスルーで良いか(笑)

↓追記

383ページの件、フォロワーさまに教えていただきました!ありがとうございます!!
ここ、訳文が間違っていたみたいです…。

愛は闇のかなたに

スパロウの『もう一度やり直せるとしたら?』という問いかけに対するトロイの答え。

『…おまえが九歳のときに結婚を申し込んでいただろう。』

【愛は闇のかなたに】本文433p

本当にベタ惚れじゃん、トロイ…。

子どもの頃からつかまえて、一途に愛すってことね。オーケー。ご馳走様ですっ♡

彼が何をしようと影響されない。たとえ彼の撃った弾がわたしの体を貫いたとしても、彼を愛し続けるだろう。心から。最悪だ。彼を許すことはできないとわかっているのに。

【愛は闇のかなたに】本文422p 

スパロウは手首に大量のチューブがつながれ、脚にギプスをつけていた。それでも、神々しかった。おれの女。おれのインコ。最高にきれいだ。真っピンクの唇や真緑の目のせいじゃなく、おれにぴったりだからだ。おれを笑わせ、怒らせ、正気を失わさせるために生まれてきた。おれに感情を持たせるために。

【愛は闇のかなたに】本文428p 

『私はあなたのために生まれたんだよ』は聞いたことあるけど、トロイレベルになるともう『おまえは、おれのために生まれたんだよ』になるんですね。

最高じゃないですか…。

笑みを浮かべながらメールを打つトロイ。
行列に並んでパンケーキを買うトロイ。
『ブルーベリーパンケーキをひとつ』
パンケーキの値段を事前に知ってて、きっかりお金を置いていくトロイ。
そして、ゴミ箱にポイってしちゃうトロイ…。

あ、やっぱりそこ捨てちゃうんだね…!
それでこそトロイ・ブレナンですよね…!!!

そしてラストのメールシーン、この時のトロイ、絶対GPSでスパロウが家に向かってるのを見て、今か今かと待ってたでしょ(笑)

『おまえの母親は恋をしていた。親父も。おまえも。…おれもだ。』

ラストも最高でしたね〜♡

自分が迎えに行くのではなく、自分のところに来るように仕向けるという、トロイらしさ全開でたまらない(笑)

『おれはばかだ、ばかだった。これからもずっとそうだろう。おれのろくでもないDNAに刻みこまれているんだ。でもおれは、おまえのろくでなしになりたい。おまえには優しくできる。ものすごく。おまえのために雨を降りやませ、雷を、風を止める。おまえは絶対に戻ってくるとわかっていた。おれの腕の中に、おまえの巣に飛んで戻ってくると。おれをめちゃくちゃ愛してるからだろ?』

【愛は闇のかなたに】本文461p 

この辺から頭の中でエドシーランが流れ出しましたよ…Thinking Out Loud

最初から最後まで自信たっぷりなアルファヒーローでしたが、スパロウの危機に狼狽えるところは非情なフィクサーの仮面が外れ、人間らしさが垣間見えた瞬間でしたね。

最後は平和なエピローグも読めて、良かった〜♡

『なんてこった、この女をめちゃくちゃ愛している』

【愛は闇のかなたに】本文466p エピローグより

読了後の感想

ロマンス本はHEAがお決まりなので、終盤に物語が収束していくのを感じるのに連れて、心がふわっとして温かくなってくるような作品も多いのですが、この作品には最後まで揺さぶられた気がします。

言語化が難しいのですけど、これ、最近読んだサンドラ・ブラウン作品とかでもそうなんですよね。
ロマサス系に多いのかも。

そして、私はその感じがたまらなく好きなんですよね〜

今作『愛は闇のかなたに』

私のお気に入り再読本リストに追加されました♡

誰もが恐れるフィクサー

そして、スパロウにとって、たった一人の愛すべきモンスター

あぁ、なんてこった、また最高なロマンスに出会ってしまったぜ…。(笑)

二見書房
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p.s.

私は、ロマンスにおけるクソッタレヒーローが自分はクソッタレだと認めてるところが好きです。

ヒロインと出会ってクソッタレなワルが根本から変わって、最終的には良い人に変わったという話(あなたを夢みてデレクはどちらかと言うと、このタイプかな?)もありますが、トロイはそういうタイプではないかなぁと思います、あくまで私は…。

この物語のあとも、トロイは必要に迫られれば顔色ひとつ変えずに、人を殺すでしょう(笑)

そしてまんまと罪を逃れるでしょう。

彼は根っからのワル、ボストン一のフィクサーですから。

でも、スパロウに対してだけは、きっと誠実であり続けるのだろうなぁと思います。

なんたって、彼女の尻に敷かれてますからね(笑)

きっと今日も、汚い血を浴びて、高級スーツにいろいろな犯罪の香りを染み付けて家に帰って、スパロウに癒されてるかもね〜?

日本は、どちらかと言うと性善説が多くて、反対に海外は性悪説が多いのかな。
日本人は、ワルに対して『こんな原因があったからこうなったんだ』と無理やりにでも理由付けをしたがる風潮があるような気がします。
でも、必ずしもワルに理由があるわけじゃないのかなと私は思います。
生まれながらのソシオパス、モンスターみたいな描き方でも良いじゃない?
そしてワルも、全ての面が”悪”というわけじゃないのです。
意外と純粋な部分も持ってるのです。
そしてそこに心を鷲掴みにされてしまうのでしょう。ヒロインも読者も。

あと、海外ロマンスって、“未成年の子供に手を出すのはクズ”という共通認識があって好きです。

奥さんをキリアン(トロイの父)に取られ、娘をトロイに取られたスパロウのアル中パパ、ちょっと不憫かも…。
でもまぁ、仕方ないか。パパも、ろくでなしだから。(笑)

エピローグを読んで、これは、トロイとスパロウの娘がサムとくっつくパターンか?と思いきや、違うらしいです…。
(私のロマンス脳もまだまだみたい)

2人ともステキなロマンスがあると聞いたので、これはぜひ翻訳して欲しいーっ!!!

ついだらだらと書いてしまいましたが、

最後は、エドシーランのThinking Out Loudの歌詞の引用で締めようと思います。

私の下手くそな和訳付きで失礼します(笑)

I’m thinking ‘bout how people fall in love in mysterious ways
人はどうしてミステリアスな恋の落ち方をするんだろう

Maybe it’s all part of a plan
もしかしたら全部、決まっていたことなのかもしれない

Well, I’ll just keep on making the same mistakes
僕はこれからも、ずっと同じ間違いをし続けるだろうな

Hoping that you’ll understand
いつか君が理解してくれることを願いながら…

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